無痛分娩についてのブログ

産むときの痛みを想像するだけで、不安になってしまう。そんな妊婦さんや妊婦さん予備軍の方も多いと思います。この記事をお読みのあなたも、現在妊娠中か妊活中だと思います。
最近では出産方法も色々ありますが、今回はみんな興味がある「無痛分娩」のあれこれを紹介します。
無痛分娩と聞くと「痛くないなら無痛分娩がいい!」と思われるかもしれません。ですが、無痛分娩にもメリットとデメリットがあるのです。
「出産方法で迷っている」というあなた、ぜひこの記事を参考にしてください。

お産の痛みってどんな感じ?

分娩の痛みは医学的には「甚大な痛み」「指の切断の痛みに相当するくらい」の痛みだといわれています。お産の痛みは個人差が強く、失神して気を失う人もいれば、案外耐えられた、という人まで千差万別の様です。

なぜお産は痛いの?

陣痛は、周期的に子宮を収縮させ、赤ちゃんを生み出し、子宮を非妊娠時の7.5cmの大きさに戻そうとする働きです。陣痛に伴って腹壁筋、横隔膜筋、骨盤底筋も収縮と緊張を行い、腹圧が高くなり、赤ちゃんを娩出する力となります。陣痛の強さと痛みは並行して強くなり、この痛みを産痛といいます。

痛む場所は下腹部や腰部が多く、陣痛による子宮自体から発生する痛みや、赤ちゃんが通る子宮の下部や、赤ちゃんの通り道が大きく開く痛み、骨盤底や会陰が強く引き伸ばされる痛み、圧迫される痛みなど様々な複雑な要素から発生します。

無痛分娩ってどんなもの?

出産時の痛みは、母体のパニックを引き起こしたりお産を難産にしたりと悪循環に陥ることもあります。この「甚大な痛み」を何とか緩和して、恐怖心からくる緊張やストレスを軽減させてお産をスムーズにしようと考え出されたのが無痛分娩です。

女王様もお産の痛みは嫌だった

古くは、1847年イギリスで、にエジンバラ大学の産科教授がクロロホルム麻酔を分娩に応用し、無痛分娩を始めています。その後、1853年にビクトリア女王が第8子の出産にこの無痛分娩を希望し出産をしたことから、貴族など富裕層を中心に、クロロホルムによる無痛分娩が広く行われるようになりました。

日本初の無痛分娩は?

日本で初めて無痛分娩を受けた人は、歌人の与謝野晶子で5男の出産時でした。「無痛安産法のお蔭で産後の苦痛と疲労とが少ない」「神経過敏に分娩を怖れる女の為めに科学がもたらした唯一の恩恵」と記述しています。

無痛分娩:その種類は?

現在は硬膜外麻酔が広く用いられ全身麻酔は少なくなっています。点滴からの鎮痛剤投与も代表的なもので、吸入麻酔を行っているところや、硬膜外麻酔と組み合わせて行っているところなど様々です。

無痛分娩にはガイドラインがないため、その病院の方針や対応できる技術によって無痛分娩の方法も異なっているのが現状の様です。

日本と海外:気になる無痛分娩の割合は?

現在世界で第一選択される硬膜外無痛分娩をした人の割合を見てみましょう。

無痛分娩:割合の高い国

アメリカでは約6割(2008年)、フランスでは約8割(2010年)の妊婦さんが無痛分娩を受けています。

無痛分娩:割合の少ない国

イギリスでは約2割(2006年)、ドイツでは約2割弱(2002-3年)、ノルウェーでは約2割半、シンガポールは1割半、香港、台湾は1割弱(1997-9年)、と国によって大きな差があります。ちなみに日本は2割半(2007年)となっています。

オランダでは自宅分娩や外来診療所などでの出産が半数を占めており、無痛分娩を行うこと自体が稀なようですし、ドイツでは無痛分娩の実施率はほとんどの病院で出産の1割以下(1996年)、イタリアでは無痛分娩にいつでも対応できる病院は2割以下(1999年)となっています。

また、香港はアジアの中でも無痛分娩率が高いほうですが、香港に居住する外国人対象の市立病院では8割と高い実施率であるのに対し、中国人を対象とした場合は0.2割の実施率にすぎません。同じ国の中でも施設や人種などで大きな差があるようで、国単位で多い、少ないと一概にはいえないのかもしれません。

無痛分娩:日本は少ないほう?

「世界では無痛分娩が行われているのに、日本は遅れている」なんて意見も聞きますが、こういったデータを見てみると、無痛分娩が6割を超える国は、本当は稀なほうで、ほとんどの国では、1割~2割の実施率なのだということがわかります。

また、アメリカをのぞいて、出産費用が無料の国では実施率が高くなっているのも興味深いですね。

無痛分娩のメリット

硬膜外麻酔は、背骨の中にある脊髄の神経の近くに薬を投与する方法で、外科の開腹手術でも用いられている麻酔法です。赤ちゃんへの影響が少なく、強い鎮痛効果があることから多くの国で行われています。

帝王切開への対応も同じ麻酔方法で行えますし、分娩後の回復が早く、体力の温存ができることなどのメリットがあります。

無痛分娩のデメリット

無痛分娩は痛みを和らげるもので、全く痛みを感じないわけではありません。人によっては、麻酔がきかず結局痛かった、という人もいるようです。

また、副作用として、足の感覚が鈍くなる、力が入らなくなる。身体がかゆくなる。低血圧を起こす。体温が上がる。といった症状や頭痛や吐き気、時には、お尻や太ももに電気が走るような神経障害が起こる場合もあります。出血や、陣痛が弱くなる場合もあり、吸引や鉗子分娩になる可能性が若干高まります。

また、麻酔薬がくも膜下にはいって麻酔の範囲が広がったり、痙攣を起こすこともまれにあります。

2014年8月にイギリスで無痛分娩を行った妊婦さんが、硬膜外麻酔の重度の副作用のため、下半身まひになった例もあります。

重篤な副作用が起こる頻度は低いとはいえ、シビアなデメリットも現実にはあると知っておいても無駄ではないと思います。

無痛分娩まとめ

日本には約2800の分娩施設がありますが、希望時に硬膜外無痛分娩を実施できる施設は250足らずしかなく、限られた曜日や時間帯にしか実施できない施設もあります。
健康に不安のある人、恐怖心や痛みに弱い人などは、メリットやデメリットを参考にして出産施設に相談してみるといいかもしれませんね。

また自然分娩、無痛分娩に関わらず、妊娠中からの骨盤ケアはとても重要です。骨盤ケアを怠ってしまうと、妊娠中に様々なトラブルが起こりやすくなってしまいます。しっかりと自分の体を管理して、安産になるようにしてくださいね!

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日本産科麻酔学会が紹介している無痛分娩を行っている施設のリスト(2015年10月現在)http://www.jsoap.com/painless_enfa.html

参考文献;
母性看護学⑵:医学書院

全国の分娩取り扱い施設における麻酔科診療実態調査:厚生労働省科学研究費補助金子ども家庭総合研究事業(2008年)

「無痛分娩の基礎と臨床」の「世界各国での無痛分娩の現状」:角倉弘行著(国立成育医療センター手術集中治療部産科麻酔部門主任)医書出版部

日本産科麻酔学会

http://www.jsoap.com/pompier_painless.html

硬膜外無痛分娩について

http://www.miraiwcl.com/imgcms/%E7%A1%AC%E8%86%9C%E5%A4%96%E7%84%A1%E7%97%9B%E5%88%86%E5%A8%A9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf

分娩で起こりうる問題(和歌山県立医科大学、麻酔科学教室)

http://www.wakayama-med.ac.jp/med/anesthesiology/labor_analgesia/08.html

イギリス 無痛分娩で下半身まひになったイラムさん

http://www.dailymail.co.uk/health/article-3555265/I-said-Yes-epidural-ease-agony-childbirth-left-PARALYSED-Tragic-mother-confined-wheel-chair-devastating-injection.html